J39.5

J39.5は、壊れてしまったボーエ・モーエンセンのJ39のパーツを組み換えて製作された家具のシリーズです。
ヴィンテージ家具を扱う都内の倉庫を巡っている中で、片脚が無かったり、背もたれが割れてしまっている J-39 に出会いました。 海外からの輸送中に破損してしまい、一度は修復を試みたが直らなかったものや、修復するにも通常よりコスト、時間、労力がかかるという状態で倉庫の奥深くに眠っているものを引き取り、何か新しい価値を生み出すことが出来るのではないかと考えました。モーエンセン自身もシェーカーチェアを当時の生活に合わせてリデザインして J-39を生み出したという周知の話もありますが、私たちは現代社会に合わせて、新しい材料を加えるのではなく残っているパーツを組み替えて、発想の転換として、0.5デザインを加えることでリデザインすることを目指しました。製作のプロセスを通じて得た新しい発想は、価値や機能が失われたモノに対して新しい価値を見出し、より能動的な家具との関係性を築くことに繋がり、家具における持続可能性について考えるきっかけになりました。