PATTERN STROKE 模様の筆跡

個性とは如何なるもので、どのように形成されるのか？
思い通りにならない事は、個が個になり得る為に必要な重要な要素である。
自身の望む道筋を阻む様々な要因と、争いながら、じゃれ合いながら、綻びながら、出来上がる、傷跡、歪な結び目が重なり合って、そのモノが持つ本来の構造に変化を与え、その都度浮かび上がる傷跡の織り成す模様を、意識、無意識に関わらず感じる事で、私達は目の前にあるそれが何であるかを知る事が出来る。
模様を使い絵を描く行為は、自らが制御出来る事を減らす事で、思いがけない偶然に出会う機会を増やし、制約を受け止め諦める事で、戯れを促す架け橋となる。
その場所が如何なる場所であったか、そのモノはどんな物であったのかを描く為の、輪郭以外の手掛かりを探す手助けとなる。
今回の展示は、模様で出来上がったパーツを貼り合わせて描く手法の作品を中心に、作家が旅先で見たさまざまな景色を描いています。

On the Way to the Beach