家族と日常のセレンディピティ

2000年以降、アメリカと日本を行き来しながら、家族と日常をテーマに写真を撮り続けてきました。
家族のいる景色は毎日同じようでいて、少しづつ時間とともに変化していきます。
そして、二度と同じ光景は現れません。
美しい月を雲が隠してしまうように、あるいは満開の桜は風で散ってしまうように、きらめく瞬間もたちまち消えていってしまいます。

Serendipityという言葉をご存知でしょうか。
Wikipediaによると、セレンディピティ(英語：serendipity）とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。
また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。

この作品群は私個人の生活の記録ではありますが、この写真を見たみなさまに昔こういう光景見たな、家族でこんなことしたなと古い記憶を呼び覚ますようなセレンディピティであってほしいと願っています。

2023年10月　守田衣利