先行受注販売商品「KIKYOシリーズ」

1948年頃にデザインされた「KIKYOシリーズ」。柳宗理には珍しい絵付き柄の”うつわ”です。無地の器の代名詞的な存在になっている柳宗理の陶磁器ですが、海外輸出用として柳宗理が初めて器に絵柄を付けたデザインです。75年の時を経て、ニッコー社の高度な転写技術により、ファインボーンチャイナの器に再現、復刻いたしました。モノがあふれる時代だからこそ、確かな技術に基づいて長い間作り続けられてきた名品。会場にて先行受注販売を実施いたします。

※画像はイメージです。

「KIKYOシリーズ復刻デザイン講話」
10 月 18 日（金） 11時30分～　※30 分-60 分程度を予定しています。
「KIKYOシリーズ」の復刻までの道のりや製造工程を、製造元のニッコー社ならびに柳工業デザイン研究会の視点から解説いたします。
※事前予約不要、当日はスタンディング形式での開催となります。
【講師名】
ニッコー株式会社　陶磁器事業部　田坂則生氏
柳工業デザイン研究会　藤田光一氏

＜柳宗理＞ ボーンチャイナシリーズ

柳宗理によって1952 年にデザインされた 松村硬質陶器「N型シリーズ」を 元に、1990年以降ニッコー社でボーンチャイナシリーズの製造を開始しました。素材を硬質陶器から骨灰磁器（ ボーンチャイナ）に替え、製造上の制約にあわせてディテールの改良が加えられています。手になじみやすい丸みを帯びた形が特徴です。

デザインコレクション｜写真提供：日本デザインコミッティー

1955年、日本で初めてのグッドデザイン運動の場として、デザインコレクションはスタートしました。

ひとつひとつのデザインには思想があり、物語があります。
それらをていねいに辿ってゆくことで、私たちはものに貯えられてきた人間の知恵や伝統文化、さらには暮らしの未来に触れることができます。デザインコレクションの商品は、すべて日本デザインコミッティーのメンバーの審美眼により選び抜かれたものばかり。私たちはデザインの実践者として、選定品を通して、ものに託された思想と物語をみなさんにお伝えしていきたいと考えています。

【デザインコレクションによる地下鉄口ウィンドウディスプレイ】
　会期中、東京メトロ銀座線改札口前のウィンドウディスプレイにて、デザインコレクションの選定商品が並びます。長年愛される商品から、新しく加わった名作プロダクトまで、確かなデザインのかたちをご覧ください。

創立メンバーによる商品選定会風景（1950年代）

1950年代の前半、日本デザインコミッティーは、「グッドデザイン運動」を展開しようと、剣持勇、亀倉雄策、渡辺力等、15人の有志が集い、その具体的な活動の場と方法を探っていました。そんな最中、創始メンバーの一人、浜口隆一氏とその夫人・ミホ氏が、松屋銀座の7階で開催されたある展覧会に携わったのが契機となり、デザインコミッティーと松屋の関係の扉は開かれました。
これまで日本デザインコミッティーのメンバーたちは、「デザインの啓蒙」を旗印とし、さまざまな活動を行ってきましたが、「デザインコレクション」に象徴されるデザイン性に優れた商品を販売するという行為は、日本デザインコミッティーの活動の大きな柱の一つです。