Is that structure essential?

インハウスデザイナーとして、マスプロダクトを生み出し、多くの人の生活を豊かにできることはデザイナー冥利に尽きます。しかし、マスプロダクトの量産に伴う歪みに違和感を感じながらも、立場上その歪みから目を背けてしまうことがあります。この歪みが本質的なものなのか、本質的なものは何かを考え、自分の中で答えを見つけるために制作をしました。マスプロダクトの量産によってもたらされる利益は非常に大きく、一概に否定することはできません。しかしながら、自分が抱くこの思いを他者に伝えることで、新たな価値を世の中へ提案できる可能性があるのではないかと考えます。

プロダクトの種類としてはソファのプロトタイプを展示します。ソファは製造管理や在庫管理の観点からさまざまなマテリアルが使われ、分解性を考慮することが難しい製品です。そのため多くのソファは量産を優先した構造になっています。内側のウレタンフォームは経年劣化により寿命が限られ、最終的には分解できずに廃棄されることになります。ここからの違和感を出発点に、分解性を考慮した構造と再生利用を目的とした素材で設計を行い展示します。

hojo akira