THEMECo-循環

COIVD-19によるパンデミックは、人と人、地域と地域、国と国の交流を制限し、ある種の「分断」を生み出しました。しかし同時に、既成概念の変革を迫られたからこそ本質に立ち返り、新しいクリエイティブを求められる、かつてないチャンスと捉えています。

コロナ禍で味わった孤独や、経済活動が停止したことで起きた環境汚染の緩和は、私たちがいかに社会性をもった生命体で、大小さまざまなサイクルの中で生かされ、影響し合っているかということを改めて教えてくれました。

「DESIGNART TOKYO」もさまざまなセクターで、国内外のクリエイターと企業や場所をつなぎ、デザイン、アート、ビジネス、社会との積極的で相互的な新たなサイクルを生み出してきました。

グレートリセットがかかり、自分たちのネイバーフッドや社会、地球との自発的な関わりが重要だと気づいた今こそ、「Co-循環」を巻き起こすかつてないチャンスと言えます。

今回のカンファレンスでは、アートやデザインで社会や環境をブーストさせている方々をお呼びし、「Co-循環」の環(わ)を拡げ、未来へのアクションにつなげていくための入り口にしたいと考えています。

開催概要

SESSION.01
「パリ・オリンピックにつなぐ、アフターコロナの建築と都市」日本時間帯|10.25mon18:30-20:00(JST)
ヨーロッパ時間帯|10.28thu21:00-22:30(フランス時間)
SESSION.02
「日本×台湾!デザインを語る新しいことばをアジアから発信しよう。」10.26tue18:30-20:00
SESSION.03
「Art is Lifeline. 日本でアートの民主化は起こるのか?」10.27wed18:30-20:00
SESSION.04
「手技とテクノロジーで回す、サステイナブルなものづくり」10.28thu18:30-20:00

開催場所:オンラインにて開催
※配信URLは、チケットご購入者様のみにご案内いたします。

使用言語:日本語
※SESSION1は、フランス語にも対応しています。
※SESSION2は、中国語にも対応しています。

チケット料金:
1DAY(1Session) : ¥1,500
4DAYS(4Sessions) 通しチケット: ¥3,000
※チケットのお申込みはこちら

主催:DESIGNART TOKYO実行委員会
協力:ZAIKO株式会社
SESSION1とSESSION2は、アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュにて収録

CONFERENCE BRIDGE 2021 PROGRAM

10.25mon18:30-20:00

SESSION.01

パリ・オリンピックにつなぐ、アフターコロナの建築と都市

奇しくも「TOKYO 2020」の直前に起きた新型コロナウイルスによるパンデミック。例に漏れず、建築業界においてもそのあり方を一変させました。国立競技場の設計に携わった建築家の隈研吾氏と、2024年のパリ・オリンピックを目指した新しい都市のデザインを建築家として統括するドミニク・ペロー氏をお招きし、公共建築が都市や市民生活にもたらす成果や、アフターコロナの建築・都市のビジョンについて伺います。

共催:アンスティチュ・フランセ日本

【登壇者】

  • 隈 研吾
  • 隈 研吾 / 建築家

    1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。国内外で多数のプロジェクトが進行中。国立競技場の設計にも携わった。主な著書に『点・線・面』(岩波書店)、『ひとの住処』(新潮新書)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。

  • ドミニク・ペロー
  • ドミニク・ペロー / 建築家、都市設計家

    1989年にフランス国立図書館(BNF)の設計を委託される。同館は20世紀の建築史を代表する建築のひとつとなった。国際的評価も高く、ベルリンのオリンピック自転車競技場・オリンピック・プール、ソウルの梨花女子大学、ルクセンブルグの欧州連合司法裁判所の増築、マドリッドのオリンピックテニスセンター、そして近年ではパリのロンシャン競馬場など、数多くの革新的で大規模なプロジェクトを手掛ける。建築は都市計画と密接に結びついた分野であるという考えのもと、パリのシテ島の都市再生計画に取り組み、現在は2024年パリオリンピックの選手村の開発も行っている。スイス連邦工科大学ローザンヌ校名誉教授。アカデミー・デ・ボザール会員。

【ファシリテーター】

  • 山名 善之
  • 山名 善之 / 建築家、美術史家、東京理科大学理工学部建築学科教授

    1966年東京都文京区生まれ。1990年東京理科大学卒業。香山アトリエ/環境造形研究所、パリ・ベルヴィル建築学校DPLG課程(フランス政府給費留学生)、パリ大学パンテオン・ソルボンヌ校博士課程。アンリ・シリアニ・アトリエ(パリ・文化庁在外派遣芸術家研修員)、ナント建築大学契約講師等を経て、2002年より東京理科大学勤務。現在、同大学理工学部建築学科教授、フランス政府公認建築家DPLG、博士(美術史)。

10.26tue18:30-20:00

SESSION.02

日本×台湾!デザインを語る新しいことばをアジアから発信しよう。

これまでアジアのデザインは、西洋の文脈に取り込まれ、西洋の言説の中で語られてきました。しかし、アジアの伝統工芸をデザインの眼で再発見し、未来へと手渡していく作業が、台湾でも日本でも行われています。台湾デザイン研究院の張基義院長や建築家でJ. C. Architecture創業者のジョニー・チウ氏、プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏を迎え、『エル・デコ』ブランド・ディレクターの木田隆子氏のファシリテーションのもと、ヨーロッパ中心のデザイン観にとらわれず、アジアが固有のデザインのナラティブを持つためには何が必要か。また、台湾のデザイン戦略についてもシェアします。

【登壇者】

  • 張基義
  • 張基義 / 台湾デザイン研究院 院長

    台湾デザイン研究院 院長、世界デザイン機構(WDO)理事、交通大学建築研究所 教授、学学文化創意基金会 副董事長、台東デザインセンター 執行長などを務めている。台東県副県長兼文化処 処長、交通大学 総務長、交通大学建築研究所 所長、A+@ Architecture Studio主宰を歴任。著書に『現代建築の観念美学(中国語名:當代建築觀念美學)』、『欧州の魅力的な新建築(中国語名:歐洲魅力新建築)』、『北米の現代建築(中国語名:看見北美當代建築)』がある。1994年 ハーバード大学デザイン学院デザイン修士号取得、1992年 オハイオ州立大学建築修士号取得。

  • ジョニー・チウ
  • ジョニー・チウ / 建築家、J. C. Architecture創業者

    米コロンビア大学卒業。彼は今まで世界6カ国以上で生活、仕事し人々との繋がりを持ってきました。彼はよいデザインのひらめきは常に内なるものから得られ、人々と空間、社会との関係性が凝縮された中によいデザインに宿ると考えています。

  • 鈴木 啓太
  • 鈴木 啓太 / プロダクトデザイナー、PRODUCT DESIGN CENTER代表

    アジア美術や骨董のコレクターだった祖父の影響で、もの作りを始める。美意識と機能性を融合させ、日用品から電車車両、素材開発までデザインやクリエイティブ・ディレクションを手掛けている。2018年「鈴木啓太の線:LINE by Keita Suzuki」を柳宗理記念デザイン研究所で開催。2020年「ELLE DECOR Young Japanese Design Talent」受賞等。2015-2017年グッドデザイン賞最年少審査員。

【ファシリテーター】

  • 木田隆子
  • 木田隆子 / 『エル・デコ』 ブランド・ディレクター(株式会社ハーストデジタルジャパン)

    編集者・ジャーナリストの立場から長年にわたりインテリア、デザイン、ライフスタイルの分野にかかわる。パリ、ミラノ、コペンハーゲン、マイアミ、上海など、豊富な海外フェアの取材やインタビューの経験をもとに、世界の最新トレンドを発信。グローバルなネットワークを生かして、日本のデザイン、ライフスタイルの海外への紹介も行う。『フィガロ ジャポン』副編集長、『ペン』編集長(いずれもCCCメディアハウス、旧阪急コミュニケーションズ)を経て、2005年12月から『エル・デコ』日本版(ハースト婦人画報社)の編集長に就任。2014年7月より現職(BRAND DIRECTOR)、現在に至る。

10.27wed18:30-20:00

SESSION.03

Art is Lifeline. 日本でアートの民主化は起こるのか?

日本ではいまだにアートの敷居は高いと敬遠され、市場規模が拡大しないと嘆かれています。しかしコロナ禍で、アートがいかに私たちを精神的に支え、心の豊かさをつくる原動力であったかと改めて気づかされました。ドイツのメルケル首相が投げかけたように、日本でもアートが生命線であると定着させるためにはどうするべきか?

【登壇者】

  • 服部 今日子
  • 服部 今日子 / 「フィリップス・オークショニアズ」日本代表・ディレクター

    外資系コンサルティング会社、投資ファンドなどを経て、2016年にフィリップス日本代表として東京オフィスを立ち上げる。主にコンテンポラリーアートの分野で活動、オークションだけでなくプライベートセールも担当し、日本におけるフィリップスのブランド構築やクライアントの発掘および作品のソーシングを手掛ける。15年前から自身もコレクションを始め、趣味は美術館とギャラリー巡り。東京大学経済学部卒業。

  • 石井 孝之
  • 石井 孝之 / タカ・イシイギャラリー代表

    1963年東京生まれ。ロサンゼルスでペインティングを学んだ後、美術作品のディーラーとしての活動を始め、帰国後の1994年、東京・大塚にタカ・イシイギャラリーを開廊(現在は六本木に移転)。以降四半世紀にわたり、日本を代表する写真家や新進気鋭の日本人作家をリプリゼントする傍ら、いち早く国外に目を向け、多数の海外アートフェアに参加。グローバルな美術史の中で日本人作家達が語られることを目指し尽力すると同時に、欧米の現代美術の進運を積極的に日本に紹介する。2011年、東京・六本木に写真作品を専門に扱うタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムを開廊。2018年11月には香港の湾仔(ワンチャイ)地区に新しいコンセプトのリテールショップ、ショップ タカ・イシイギャラリーをオープン。また、日本写真界のさらなる発展のため、2014年5月に一般社団法人日本芸術写真協会を設立。

【ファシリテーター】

  • 岩渕 貞哉
  • 岩渕 貞哉 / 「美術手帖」総編集長

    1975年横浜市生まれ。1999年慶応義塾大学経済学部卒業。2008年に編集長となり、2019年より現職。ウェブ版「美術手帖」やアートECサイト「OIL by 美術手帖」を立ち上げる。また、公募展の審査員やトークイベントの出演など、幅広い場面でアートシーンに関わる。

10.28thu18:30-20:00

SESSION.04

手技とテクノロジーで回す、サステイナブルなものづくり

モノを「つくる」という行為は、地球や生き物からリソースを採取し、製造し、排出する生態系の中の営みであります。同時に、経済だけでなく社会活動を循環させる行為でもありました。そのサイクルに歪みが生じている今、サステイナブルなものづくりへとリデザインするためには? 手技とテクノロジーが拡張させるクリエイティブの力を展望します。

【登壇者】

  • 豊田 啓介
  • 豊田 啓介 / 東京大学生産技術研究所特任教授、noiz、gluon

    1972年、千葉県出身。1996~2000年、安藤忠雄建築研究所、2002~2006年、SHoP Architects(ニューヨーク)を経て、2007年より東京と台北をベースに建築デザイン事務所 noiz を蔡佳萱と設立、2016年に酒井康介が加わる。2020年、ワルシャワ(ヨーロッパ)事務所設立。2017年、「建築・都市×テック×ビジネス」をテーマにした領域横断型プラットフォーム gluonを金田充弘と共同で設立。コンピューテーショナルデザインを積極的に取り入れた設計・開発・リサーチ・コンサルティング等の活動を、建築やインテリア、都市、ファッションなど、多分野横断型で展開している。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画アドバイザー(2017年~2018年)。建築情報学会副会長(2020年~)。大阪コモングラウンド・リビングラボ(2020年~)。2021年より東京大学生産技術研究所特任教授。

  • 倉本 仁
  • 倉本 仁 / プロダクトデザイナー、JIN KURAMOTO STUDIO 代表

    1976年兵庫県生まれ。家電メーカーのインハウスデザイナーを経て、2008 年に東京目黒に『JIN KURAMOTO STUDIO』を開設。プロジェクトのコンセプトやストーリーを明快な造形表現で伝えるアプローチで家具、家電製品、アイウェアから自動車まで多彩なジャンルのデザイン開発に携わる。素材や材料を直に触りながら機能や構造の試行錯誤を繰り返す実践的な開発 プロセスを重視し、プロトタイピングが行われている自身の”スタジオ”は常にインスピレーションと発見に溢れている。iF Design Award、グッドデザイン賞、Red Dot Design Awardなど受賞多数。2015~2017年グッドデザイン賞審査委員。

【ファシリテーター】

  • 塚田 有那
  • 塚田 有那 / 編集者、キュレーター、一般社団法人Whole Universe代表理事、「Bound Baw」編集長

    2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。12年より、東京エレクトロン「solaé art gallery project」のアートキュレーターを務める。16年より、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディア戦略を担当。近著に『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』(ビー・エヌ・エヌ)、共著に『情報環世界 - 身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)、編集書籍に長谷川愛『20XX年の革命家になるには-スペキュラティヴ・デザインの授業』(ビー・エヌ・エヌ)がある。