EXHIBITIONS

画像左:Photo: Hugard & Vanoverschelde / 画像右:courtesy of the artist

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展

エリア
Area

銀座

ジャンル
Genre

ART

展示期間
DATES

2022.10.21(fri)〜2023.1.31(tue)

営業時間
OPERATING HOURS

11:00〜19:00(入場は閉館の30分前まで。※ギャラリーは基本、銀座店の営業に準じております。ただし、開館日と開館 時間についての最新の情報はウェブサイトをご確認ください。)

会場
LOCATION

東京都中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
Map.61

Band Captain | 2020 | Oil tempera on linen | 200 x 150 cm | courtesy of the artist and Galerie Michel Rein

「訪問者」 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展

エルメス財団は、クリスチャン・ヒダカ(1977年千葉県生まれ、イギリス・ロンドン在住)とタケシ・ムラタ(1974年アメリカ生まれ、ロサンゼルス在住)の二人展「訪問者」を開催いたします。本展は、現実と虚構の狭間を問う制作を続ける二人のアーティストの世界を通じて、コンテンポラリー・アートの中に見るフィクショナルな構造を二つのナラティヴで浮かび上がらせるものです。
ヒダカとムラタは、名前が示すように日本の血をひいていますが、二人とも英語圏の文化の中で育ったため、日本の文化や言語とはある一定の距離を持っています。タイトルとなった「訪問者」とは、一体誰でしょうか? ここでは、小説やSF映画のように、訪問者とは誰なのか、何であるのかを探すような開かれた問いかけから出発します。
ヒダカは、劇場とその建築、西洋の絵画史への参照を特徴とした絵画制作を続けています。特に、ルネサンスの思想や芸術に興味を持ち、遠近法や幾何学的な空間記述といった科学的な側面に加え、異教や魔術といった古代思想との関連にも大きな関心を寄せています。ヒダカは、近年、絵画と劇場の類似性を発展させ、だまし絵のような入れ子式の構造の中に、古今東西の様々な要素が共存する奇妙な宇宙を描き出します。本展では、シンメトリーな構造の中に、ピカソのアルルカン、フラ・アンジェリコのディテール、スカルパのフレーム、カービーのダイアグラムなどが反復する、ハイブリッドな魅力あふれる不思議な散策を提案します。
一方、タケシ・ムラタは、主にデジタル・メディアを用いて、映像作品や立体作品などで独自のリアリズムを追求してきました。ムラタにとって、現実とは流動的なもので、分解、溶解、消滅、オーバーラップといったCGI技術の「ディゾルヴ」に似たものでもあります。最新の技術であるWeb3.0やNFTによってもたらされるメタ世界への興味から、ムラタは、本展に際し、バスケット・ボールをする「ラリー」という犬の映像作品を制作しました。液体シミュレーターでレンダリングされたラリーは、彫刻のように見えますが、メタ世界にしか存在しない、ムラタの自画像でもあります。
二人の世界は、私たちがアートの中に希求するリアリティや虚構性を巧みに用いながら、現実の異なる次元に私たちを誘うでしょう。さて、私たちはどんな訪問者を見出すことができるでしょうか。
Larry Cove | 2021 | Digital video; Continuous loop | Sound by Black Dice | courtesy of the artist
Siparium | 2020 | Oil tempera on linen | 178 x 255 cm | Photo: Vincent Everarts
Seahorse | 2017 | Pigment print | 101.6 x 73.7 cm | courtesy of the artist
エリア
Area

銀座

ジャンル
Genre

ART

展示期間
DATES

2022.10.21(fri)〜2023.1.31(tue)

営業時間
OPERATING HOURS

11:00〜19:00(入場は閉館の30分前まで。※ギャラリーは基本、銀座店の営業に準じております。ただし、開館日と開館 時間についての最新の情報はウェブサイトをご確認ください。)

会場
LOCATION

東京都中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
Map.61

BRAND / CREATOR

クリスチャン・ヒダカ Christian Hidaka

1977年、野田市生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。新しい絵画形式の探究として、自身の複雑な心象風景を、異質な時間的・空間的構造が衝突する親密な連鎖を生む論法を用いて描き出す。西洋のキアロスクーロ(明暗法)と東洋の斜投影法を組み合わせたハイブリッドな空間構造「Eurasian」を、2つの伝統文化を融合させる手法で、絵画のみならず壁画制作も合わせて展開している。

近年の個展に「Tambour Ancien」(Galerie Michel Rein、パリ、2021年)、「Set for Four Players, a Sundial and a Bear(Raphael Zarkaとの2人展)」(Fabian Lang、チューリッヒ、2021年)、「Unhooked a Star」(ルーマニア国立現代美術館、ルーマニア、2018年)。作品は、MUDAM(ルクセンブルク)、CNAP(パリ)、イスラエル美術館(エルサレム)などにも収蔵されている。

タケシ・ムラタ Takeshi Murata

1974年シカゴ生まれ。現在、LAを拠点に活動。動画ファイルの圧縮時に発生するエラーを用いて視覚的効果を与えるグリッチ・アートの先駆者として知られる。CGIをイメージ・メイキングやデジタル・アフターライフ(イメージに形や動きを与えること、死後もデジタルに生き続けること)のメディテーションの過程ととらえ、アニメーション、映像、CGIからNFTまで様々なデジタル・メディアや技法を駆使しながら、独自のリアリズムを追求する。

近年の主な個展に、「Living Room」(山本現代、東京、2017)、「Infinite Doors」(The Empty Gallery、香港、2017)、「Takeshi Murata」(Halsey McKay Gallery、NY/スタヴァンゲル美術館、ノルウェー、2015)など。サンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)、DESTE Foundation for Contemporary Art (アテネ)、マイアミ現代美術館、ハーシュホーン美術館の彫刻庭園(ワシントンD.C.)、スミソニアン・アメリカ美術館(ワシントンD.C.)などに作品が所蔵されている。

VENUE

エルメス財団

アーティストと共に創造する空間「フォーラム」は、エルメス財団の運営するアート・ギャラリーです。 エルメス財団とは、2008年にパリで発足した非営利団体で、 エルメスを母体としながらも、独立した方針を掲げ、芸術や技術伝承、 環境問題、教育などに関わるプロジェクトの支援を行っております。

https://www.fondationdentreprisehermes.org/fr