「the SP!RAL」と題した作品群は、サステナブルなものづくりを目指し・実践している台湾デザインを一堂に集めた特別企画。DIT（Designed in Taiwan）の観点から、「台湾から世界に、より回転し、より循環を」という願いを込めて、台湾のデザイン産業がどのようにして産業や学術機関と連携し、サーキュラーエコノミーのメリットを人々に広く理解してもらい、サーキュラーデザインによる競争力を高めて、国際社会に貢献することを目的としています。

こちらでは参加企業・プロジェクトをより詳しくご紹介します。

W Glass Project x Hsiang Han Design

ガラス回収率が世界二位である台湾において、そのうちの7割を占めるのが春池玻璃である。回収業に始まり、建材の開発を経て、回収再利用を理念とするものとのジャンルを越えたコラボレーションを展開している。循環型経済の実現において末端からの価値創造をその要件とすることで、リサイクルと創造の矛盾の共生を探求は続く。作品を通じたガラスの美しさの追求と循環型経済の背景にある環境への理解の促進は、社会への普及から循環へと昇華する。

FENKO CATALYSIS CHAMBER

紙の持つ可能性を引き出し、新たなプロダクト・空間など様々なものを生み出す触媒としての価値に取り組み続けるFENKO。実験場から生み出されるものは、自然素材である紙の美しさに立ち返り、クリエイターのインスピレーションを加えることで、伝統と未来の重なりを感じさせる。その中心地となる「FENKO Catalytic Chamber」は、デザイナーのためのマテリアルラボラトリーやクリエイティブな触媒スペースとしての役割も担い、国境や時間を越えるさまざまな素材との実験の機会を提供しながら、紙のあらゆる拡張性を表現する。

The Young Square

ハニカム構造を利用した家具を展開するThe Young Square。デザインの最も重要なポイントを「作ること」ではなく「問題を解決すること」と捉え、無駄を出さないものづくりには強いこだわりを持つ。長さの可変するソファやスツールはあらゆる展示会・商業施設・イベントなどで活用が可能だ。環境負荷の少ない材料・プロセスの開発による、持続可能な課題解決の実践を通して、アジア全体への展開を見据えている。

Essence Design & Craft

竹を主材料とし、ガラス、陶器、金属、繊維など他の自然素材と組み合わせて、精緻な作品を生み出すEssence Design & Craft。シンプルであることこそ、物事の本質を見つける唯一の方法と考え、素材の本来の姿に立ち戻り、最も純粋な特徴を巧みに利用し、生活の基本的なニーズを解決することが彼らのデザインの最終目標である。伝統的な文化と創造性の転換を目指し、クラフトデザインの新たな地平を開くことに挑戦している。

Hibāng / Duolog Design LLC

Duologが立ち上げたのは、廃棄される漁網を代替材料として1点あたりのプラスチック使用量を90%削減したリサイクルアイウエア「Hibāng」。質を落とさずによりサステナブルで上質なライフスタイルの創造を掲げ、環境に配慮した製品をデザインによっていかに生み出せるかという挑戦を続けている。廃棄物ゼロ、そして限りなく循環する社会の実現のため、異なる分野とのコラボレーションはより多くの生活領域へのアプローチに繋がっている。

Miniwiz Co., Ltd.

MINIWIZは世界初のオフグリッド型廃棄物リサイクルシステムを搭載した可動式の「TRASHPRESSO」を開発した。数多くの国際的なプロジェクトを手掛けながら、身の回りにあるプラスティック素材を再利用して別の素材に作り変える工作機械の開発を続けている。複雑に絡まった社会問題に技術と革新的なデザイン思考で答えを出し続けるその取り組みは、世界のリサイクル自体を変える可能性を持つ。

TPCreative

台湾電力は、発電の過程で発生する副産物、廃棄される機器、リサイクルされる材料資源を回収し、実験的な研究開発と高度な設計プロセスによって、製品の製造サイクルに還元している。長い年月をかけて試行錯誤を繰り返しながら開発されアップサイクルプロダクトは、クリエイティブチーム「TPCreative」によって新たな息吹を吹き込まれた、アイデアで社会課題を解決する象徴でもある