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国内を旅していると、日本はデザインの豊かな国だと再認識する。地域に寄り添うデザインを育んだ、この国独自の気候や自然との結びつきに思いを巡らせる。ここ数年、富山へ足を運ぶ中で、豊かな資源と技術の中に散りばめられた沢山のトキメキに出会った。本展では自身の驚きの瞬間を出発点とし、素材から作品へと展開するプロセスを通して、これからのデザインを探る。自然の産物とデザインが緩やかに繋がる、澄んだ魅力を纏ったデザインピースを展示する。「植物」との柔らかな対話。ヘチマは、生分解性・通気性が高く、何より気張らない心地よさと軽やかさが魅力的だ。シート状にすることで加工を容易にし、私たちの記憶から導かれる印象とは全く別の姿へと変貌する。「石材」に宿る大地の記憶を旅する。粒子が荒く脆い砂岩、岩崎石。用途が限られていたが、外見からは想像できないほど、美しい模様を孕んでいる。長い年月をかけ層になった美しい模様は、割ることで初めて目にすることができる。「ガラス」に生命の輝きを収める。卓越した職人の技術。手吹きガラスの空気を吹き込む瞬間。原始的な動作から生まれる、美しい造形と無垢な輝きに魅せられる。
進藤 篤 (しんどう あつし) 1991年生まれのデザイナー・アーティスト。2015年 東京藝術大学大学院修了後、企業内インテリアデザイナーとしてホテル・オフィス・大型商業空間等のデザインに関わると同時に、個人プロジェクトを並行しておこなっている。デザイン・アートの根源的な魅力を探る為の実験的なプロダクトや空間・アート作品を発表している。生活に密接する事柄・素材を見つめると同時に、新しい価値観や美を探る。
“デザインを五感で楽しむ”をコンセプトに2007年から開催し今年で14回目を迎えるデザインイベントです。国内外で活躍するデザイナーや、注目されるデザインが集結し、デザインの魅力や可能性を身近に体感できるデザインの祭典です。今年はのテーマは「デザインの裏」。このテーマのもと、さまざまなコンテンツが展開されます。