インドネシアの漁村地域では、多くの人々がバイクで魚を売り回り、日々の生計を立てています。しかし炎天下のなか、常温で売られる魚はすぐに傷み、値崩れや売れ残りによる収入の低下、また食中毒などさまざまな課題を生んでいました。デザイナーの松山は、そのような課題に対し、現地の暮らしや仕事の様子を丁寧にリサーチし、彼らの収入を安定・向上させるための活動を行ってきました。そのなかでデザインした、魚を新鮮なまま販売するための小さな冷蔵庫と、その形状をアレンジしたリビングやベッドルームのための冷蔵庫の2つのモデルを、活動の概要とともに紹介します。
価格(prototype price) :1,000,000円（税抜）
1987年生まれ。 2012年より三菱電機株式会社デザイン研究所にてプロダクトデザイン業務に従事。公共機器や家電製品のデザインを経験し、現在は途上国向けのソリューションデザインを中心に、多様な領域の研究開発に取り組んでいる。「LG mobile design competition」 Gold Prize 2010、「 富山プロダクトデザインコンペティション」グランプリ、「Lexus Design Award 2014」「 グッドデザイン賞」など受賞。
途上国に暮らす人々の生活や社会、そこにある課題に対して、電機メーカーのインハウスデザイナーとして、そしてその製品やテクノロジーによって、何かもっとできることはないだろうか？ そんな想いから始めたプロジェクトです。実際に現地を訪れ、そこに暮らす人々とのコミュニケーションや体験を通し、さまざまな調査・実験を重ねてきました。世界の人口の約80％以上が低所得者層に属するといわれるなかで、その暮らしや文化に自然と溶け込み、少しでもその生活が明るくなったり、豊かになったりするような新しい価値を、デザインの力で生み出していきます。
